GRASグループ株式会社が運営する英語学習情報メディア「English Hub」が、YouTubeのアニメ関連動画のコメント欄で日本語由来の言葉がどう使われているかを調べた記事を公開しました。1,518動画・194作品に寄せられた180,971コメントを分析し、英語での用法を確認しています。その結果、今回の対象語のなかで最も多かったのは「isekai」(578件)でした。2位は「waifu」(232件)、3位は「kun」(188件)です。

全体ランキングのトップは「isekai」、件数が近くても作品を越えた広がりには違い
全体ランキングでは、まず用意した日本語由来語のリストでコメントを検索しました。そこから作品名、固定された人物呼称、台詞の引用などを除き、英語でジャンルや人物の特徴、感想などを表す用法を数えています。「isekai」は異世界もののジャンルを語る場面などで使われ、95作品に登場しました。好きなキャラクターへの愛着を表す「waifu」は83作品に登場しています。「kun」には、名前に付ける敬称のほか、「Truck-kun」のような擬人化した呼び方も含まれています。
「shonen」と「kaiju」の使用コメント数は、それぞれ123件と120件でほぼ同じでした。ところが、コメントが付いた動画の作品数は54作品と5作品で、大きな差がありました。「kaiju」は102件(85.0%)が『乙女怪獣キャラメリゼ』のコメント欄に集中しており、この作品を除くと18件です。一方の「shonen」は、最多だった『ブラッククローバー』を除いても111件が残りました。
「waifu」は、最も多かった1作品でも10件(4.3%)にとどまり、複数の作品に分散していました。今回の結果では、言葉が多く書かれることと、幅広い作品のコメント欄で使われることは必ずしも一致していませんでした。

年別比較では「isekai」の頻度が2020年から2021年に上昇
年別比較には、Aniplex USAとCrunchyroll Dubsの322動画に寄せられた131,972コメントを使っています。動画公開後90日以内のコメントを、動画の公開年ごとに集計しました。こちらの順位は、作品名・人物名や他言語での使用も含む検索件数にもとづくもので、用法を確認した全体ランキングとは集計基準が異なります。また、年ごとに収集コメント数が違うため、頻度は「コメント1万件あたり」で比べています。
「isekai」の件数は、2020年の163件から2021年の110件へと減りました。しかし、コメント1万件あたりでは30.1件から48.7件に上昇しています。作品名などを除き、英語の一般用法に絞った場合も、28.4件から47.0件へと上昇していました。
ただし、年ごとに対象作品やチャンネルの構成は異なります。たとえば2022年の「chan」12件は、作品名・固定呼称や台詞の引用でした。2024年の「yuri」35件には、英語で関係性などを語る用法が28件ありましたが、そのうち24件は『魔法少女まどか☆マギカ』に集中していました。このため、順位や頻度の変化をそのまま海外全体での流行の変化とは断定できないとしています。

「got isekai’d」――日本語由来語が英語の動詞のように
「isekai」はジャンル名としてだけでなく、「異世界に飛ばされた」という出来事を表す言い回しにも使われていました。その一例が、『領民0人スタートの辺境領主様』の動画に寄せられた「All Might got Isekai’d」(日本語訳:オールマイトが異世界に飛ばされた)というコメントです。これは『僕のヒーローアカデミア』の人物を別作品の人物に重ねた冗談であり、実際の作品間のつながりを示すものではありません。
「got+過去分詞」は「~された」という出来事を表す形です。この例では、日本語由来のisekaiに「-ed」にあたる語尾を付け、英語の動詞のように扱っています。「got isekaied」「got isekai-ed」などの表記違いと、無変化の「got isekai」を合わせると、21件・20作品で確認されました。調査記事では、単語ごとに原文・日本語訳・作品名を添えて、コメントでの使われ方を紹介しています。
- 調査主体:English Hub(GRASグループ株式会社)
- 集計時点:2026年10月15日
- 全体ランキング・作品の広がり:YouTubeのアニメ関連動画1,518本・194作品、180,971コメント
- 年別比較:2020~2025年および2026年上半期に公開された322動画、公開後90日以内の131,972コメント
- 調査方法:保存済みコメントをプログラムで検索・集計し、AIによる本文の読み取りで用法を分類
集計では、同じコメントに同じ語が複数回出てきても1件と数え、表記違いはまとめています。全体ランキングは英語の用法を確認した件数、年別ランキングは検索件数です。年別の候補2,541件のうち1,177件を読み取っており、このなかには各年の上位3語と頻度増加幅上位10組に該当する1,085件がすべて含まれます。残りの1,364件は用法を確認していません。収集コメント数には全言語が含まれ、2つの調査対象は一部が重なるため件数は合算していません。対象動画は無作為抽出ではないため、YouTube全体や海外のアニメファン全員を代表する結果ではありません。「日本語由来の表現」には日本語の単語のほか、英語の「wife」を日本語風の発音で表した「waifu」のように、日本語の発音を取り入れたファン表現も含まれます。なお、「anime」「manga」は全体ランキングに含まれていません(EnglishHub調べ)。
出典:GRASグループ株式会社




