機動戦士Ζガンダム

ストーリー

(C)創通・サンライズ

宇宙世紀0087年、シャア・アズナブルはクワトロと名前を変え、反地球連邦組織エゥーゴに参加していた。
潜入したコロニー「グリーン・ノア」で、彼はティターンズが開発した黒いガンダムを目撃する。

一方、カミーユは憲兵からの尋問中に起きたガンダム墜落の混乱に乗じて脱走する。ガンダムMk-Ⅱ奪取をたくらみ、再度コロニーに潜入するシャア。その戦闘のさなか、カミーユはガンダムMk-Ⅱに乗り込み、操縦を見事にこなしてしまう。それを目撃したブライトは、カミーユにアムロの再来を感じるのだった・・・。

感想・評価

本作は機動戦士ガンダムの続編であり、いわゆる宇宙世紀ガンダムでも非常に人気の高い作品である。

前作の機動戦士ガンダムの感想・評価はこちら

前作の機動戦士ガンダムは宇宙世紀の中の一年戦争といわれる戦争を舞台にした作品であったが、本作は一年戦争から7年後のグリプス戦役を描く。

前作同様、テーマは「本質的に人と人とは分かり合えない、その葛藤・ジレンマ」であると考える。
本作では前作後半に出てきた「ニュータイプ」という概念がより具体化されて使用される。
ニュータイプの解釈は人それぞれあると思うが、共通して言えることは他者の考え・感情を言語の枠組みを超えて認識できる能力であると思う。
そのニュータイプという概念を考慮に入れつつ、本作品を視聴するに当たり2点注目してほしい。

1つ目は本作の主人公カミーユ・ビダンの成長である。
カミーユはアニメ序盤では幼く、自分勝手な行動ばかりであった。そんなカミーユがニュータイプとして様々な思惑が渦巻く戦場で生きていく上で他者の考え・感情をダイレクトに感じ取り、成長していく。カミーユが初めて恋に落ちた女性フォウ・ムラサメとの関係、自身が否定する行動を取るしかない戦争という極限状況、他者の考えが理解できてしまうからこそ起こり得る苦悩、本来であればわからないはずの他者の考え・感情がわかってしまうからこその苦しみに耐えつつも成長していく姿には「本質的に人と人とは分かり合えない、その葛藤・ジレンマ」が見て取れる。

2つ目はシロッコ・シャア・ハマーンの三つ巴の戦いである。
本作での舞台であるグリプス戦役では宇宙に暮らす人々「スペースノイド」と地球に住み続ける人々「アースノイド」との対立という前作から続く対立軸は変わらない。
一方で地球側として戦う地球連邦軍の中でも地球連邦軍の中でもエリート集団である「ティターンズ」と地球連邦軍所属ではあるが実際にはスペースノイドの集団である「エゥーゴ」の争い、そして物語中盤以降では前作の一年戦争にて敗北したジオン軍の残党「アクシズ」の三つ巴の戦いとなる。
さらにグリプス戦役の最終的な戦いでは「ティターンズ」の実質的最大実力者は木星帰りの男ハプテマス・シロッコ、「エゥーゴ」はかつて赤い彗星のシャアとしてジオン軍で活躍したクワトロ・バジーナ、「アクシズ」はジオン残党をまとめ上げてきたハマーン・カーンとなる。
シロッコ・シャア・ハマーンは3人ともニュータイプであり、また自身の理想を言葉で相手に伝えてもいる。それぞれが自身の理想を相手に伝えており、相手もその考えを認識できる能力を有している。それなのにお互い相手が死ぬまで終わることのない戦争を続けているのである。
「本質的に人と人とは分かり合えない」たとえ相手が考えていることが手に取るようにわかったとしても、本質的に「分かり合う」ことはできないと感じる。

機動戦士Zガンダムは宇宙世紀シリーズの中でも非常に人気が高い作品である。
その理由がよくわかるほどの色濃いストーリーであり、是非この作品を視聴し「なにか」を感じ取って欲しい。

スタッフ・声優

原作: 矢立肇(原案)、富野由悠季
総監督: 富野由悠季
キャラクターデザイン: 安彦良和
メカニックデザイン: 大河原邦男、藤田一己
音楽: 三枝成章

声優:
飛田展男、池田秀一、古谷徹、鈴置洋孝、岡本麻弥、松岡ミユキ、難波圭一、川村万梨阿、小杉十郎太、島田敏、井上和彦、勝生真沙子、大塚芳忠、水谷優子、西村知道、郷里大輔、佐脇君枝、藤井佳代子、島津冴子、榊原良子